@article{oai:fujijoshi.repo.nii.ac.jp:00002054, author = {藤井, 義博 and FUJII, Yoshihiro}, issue = {1}, journal = {藤女子大学QOL研究所紀要, The bulletin of studies on QOL and well-being}, month = {Mar}, note = {本論文は、哲学者フランシス・ベーコンの最後の著作であるʠシルバ・シルバールムすなわち自然誌ʡの10 世紀の主要なテーマである交感(sympathy)に触れる実験のうち夢で死を予知する近親者間の交感、疣を擦った豚の皮脂片を消耗、腐敗させることで疣が退縮する物と物の間の交感、剣による創傷がその剣への軟膏塗布で治癒する物と物の間の交感に触れる各実験の自然の過程(natural processes)を、現代の医学、生理学、心理学のレンズを通して検証する試みであった。 ベーコンが実験(experiment)と名づけて実践したことは、神の仕業および神のランプである感覚に基づくことにより、迷信と魔法のアートと観察から、明晰で純粋な自然の過程すなわち外的環境に関わる外的な自然の過程および人の内部環境に関わる内的な自然の過程を分離することであった。検証の結果、夢で死を予知する近親者間の交感に触れる実験の自然の過程は、C. G. ユングによる無意識の知覚すなわち共時性(synchronicity)が機能する無意識の過程であり、疣が退縮する物と物の間の交感に触れる実験の自然の過程は、炎症反応の増強による免疫反応の賦活およびプラセボ効果であり、剣による創傷がその剣への軟膏塗布で治癒する物と物の間の交感に触れる実験の自然の過程は、現代の湿潤療法が採用している湿潤環境の形成であると理解することができた。また再使用された軟膏の徳性(virtue)の増加は、S. W. ポージェスのポリヴェーガル理論における無意識の脳覚(neuroception)を礎とするプラセボ効果の予想であると理解することができた。ベーコンは、物事は徹底的に吟味すること、そしてしかるべき吟味を経るまでは、信用できるからといって受容しないこと、ありそうもないからといって拒絶しないことを自らの法則として自らに設定するとともに実験者の恣意性の指摘、客観的で正確な叙述、科学的検証の指摘を厳格に実行することにより、現代の医学、生理学、心理学のレンズを通しての検証が可能な客観的記述としての自然の過程を後世に遺すことができた。}, pages = {13--23}, title = {フランシス・ベーコンにおける交感(sympathy)に触れる実験の視野}, volume = {17}, year = {2022}, yomi = {フジイ, ヨシヒロ} }